ワーホリは人を幸せにするのか問題。 

先日日本の友達とワーホリの話題になりました。彼女の配偶者の妹が現在ニュージーランドでワーホリ中、その後もニュージーランドに残りたいという意向を示している、とのこと。友達の配偶者は妹のニュージーランド延長に反対している、との話を受けて、私のワーホリ体験も交えながらワーホリについてを考えてみたいと思います。

ちょっとその前に!ワーホリってなんだ?

海外に行きたい若者にとっては、超有名なワーホリ。正式名称は“ワーキングホリデー”といいます。

【ワーキングホリデー概要】 

ワーキング・ホリデー制度とは,二国・地域間の取決め等に基づき,各々が,相手国・地域の青少年に対し,休暇目的の入国及び滞在期間中における旅行・滞在資金を補うための付随的な就労を認める制度です。各々の国・地域が,その文化や一般的な生活様式を理解する機会を相手国・地域の青少年に対して提供し,二国・地域間の相互理解を深めることを趣旨とします。

【ワーキング・ホリデー査証発給要件】 (注)国・地域によって査証発給要件に多少の違いがあります。

  • 相手国・地域に居住する相手国・地域の国民・住民であること。
  • 一定期間相手国・地域において主として休暇を過ごす意図を有すること。
  • 査証申請時の年齢が18歳以上30歳以下であること(オーストラリア,カナダ及び韓国との間では18歳以上25歳以下ですが,各々の政府当局が認める場合は30歳以下まで申請可能です。)。
  • 子又は被扶養者を同伴しないこと。
  • 有効な旅券と帰りの切符(又は切符を購入するための資金)を所持すること。
  • 滞在の当初の期間に生計を維持するために必要な資金を所持すること。
  • 健康であること。
  • 以前にワーキング・ホリデー査証を発給されたことがないこと。

   引用: 外務省ホームページ http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/visa/working_h.html

現在は、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、韓国、フランス、ドイツ、英国、アイルランド、デンマーク
台湾、香港、ノルウェー、ポルトガル、ポーランド、スロバキア、オーストリアの16か国・地域と日本の間でこのワーホリ制度が結ばれています。

要約すると、18歳以上30歳以下で、上記の要綱を満たし、申請すれば(もしくは審査や抽選に合格すれば)、期間限定の就労もできちゃうビザがもらえますよ、という制度なのです。

【勝手に相談室】まずは相談者のプロフィール

まずはワーホリのことを踏まえた上で、本論に。

まったく相談されたわけではないのですが、筆者もワーホリを数か国経験した結果から、大きなお世話の相談コーナーを開設してみたいと思います。友達の配偶者の妹さんを相談者さんとして話を進めていきます。

【相談者プロフィール】

・30歳女性。

・オーストラリアワーホリ後、現在ニュージーランドワーホリ中。ワーホリが終了次第、なんらかのビザに切り替え、ニュージーランド滞在を延長予定。

・特別やりたいことがあるわけではない。が、ニュージーランドにはできる限り長くいたい

・英語をまだまだ勉強したい

 

相談者はニュージーランドに残りたいのに、彼女のお兄さんを始めとする家族は彼女がニュージ―ランドに残ることに否定的なのだそうです。お兄さんの心配事をまとめると、「やりたいことが漠然としている中、今のままの生活を続けることで妹の将来が明るいものになるとは思えない」

でも当の本人はまだまだ英語を勉強したいと思っているし、何より日本には帰りたくない、ニュージランドに残りたいという葛藤があります。

目的がない外国での長期滞在に対する警告

ちょっと論がずれるのですが、個人的には、家族であっても他人の人生には口出しをしない方がよいと思っています。頭ごなしに自分の進路について否定したり、首をつっこんでくる家族だったら、とにかく無視。家族から解放された自由な人生を送りましょう、と言いたいところです。

しかしこの場合はね、やはりお兄様のお気持ちもわかるんですよ。

お兄様は「やりたいことが漠然としている」ということを前置きしているので、理由もなく否定しているわけではなく、もし相談者がニュージーランドで確固たる信念を持って取り組んでいる何かがあれば、お兄様はむしろ相談者を応援してくれる人だったんじゃないかと思います。

つまり、目的がないのに外国で(もしくは日本でも)フラフラしていることへの危険性をお兄様は言ってるわけですね。

 

目的なしのワーホリはありか?

個人的な意見を言うと、1年(もしくは2年)くらいのワーホリであれば、どんどん行きなさい、と言います。目的がなかったとしても、別にそれって大したことじゃないです。この相談者さんのように「英語を勉強したい」っていうのは、本来目的であるべきではないと思うのですが、まぁそれを目的にしてもよいでしょう、若ければ。

でも、別に「外国に行ってみたい!」という気持ちを目的にしても何も悪くないと思うんですよ。

そのくらい異文化が与えてくれる影響って大きいし、異国の地で奮闘した経験って何事にも代えられないはずです。そこから見えてくることも絶対にあるはずだから。

だから、20代であれ、30代であれ、年齢なんて関係なく、「行きたい!」と思ったら行ってしまった方がいいんです。その後のことは帰ってから考えても、絶対に遅くないはずです。やらなかった後悔は、やって失敗した後悔よりも遥かに大きいですから。

でも、問題なのは、2年目、2ヵ国目以降のワーホリのことです。

ワーホリの落とし穴は2か国目、3か国目に

気になるのは、相談者さんの年齢が30歳、ワーホリ数か国目、したいことが特に何もない、ということ。

もちろん英語を勉強したい、っていう気持ちは嘘ではないでしょう。その気持ちはわかります。

こういう人ってたくさん見ます。海外の生活に慣れてしまって、もしくは日本には帰りたくない事情があって、ワーホリを何か国もしている人や、ドイツで言えば、「学生準備ビザ」なんかで滞在を伸ばしている人。

若く、ワーホリができるうちはいいんです。スキルなんてなくっても、若さを武器にワーホリ申請して、日本食レストランで低賃金で働いてもまだまだ全然平気ですし、若いうちにやりたいことが見つかっている人なんて少数ですから。

でもね、人間って年を取っていきます。なぁーーーーんのスキルもないと、ワーホリ終了後、結局日本に帰る未来しか残されていないんです。“逃げて”先延ばしにしてきた未来が、一気に現実になる瞬間がやってきてしまいます。

それは年を重ねれば重ねるほど、現実は厳しくなっていきます。

これは逃げなのか?

ワーホリを何か国もしている人や滞在を伸ばし伸ばしにしている人ってね、好きな場所に住めて幸せ!自由万歳!とは思っているかもしれませんが、どこかで暗い表情をしてるんですよ。イキイキとしていない。それって結局、「この先どうしよう?」という不安が付きまとうからなんですよね。

そりゃね、最初は楽しいでしょう。「外国に行く、住む」という夢が実現したということですから。でも、1年が過ぎても同じ気持ちでいれる人ってなかなかいません。

もし自分がコレ!と思える仕事を持っていたり、好きなことを学んでいる状況で、ワーホリを続けている人や外国に住んでいる人だったら、話は全然違います。けど、結局、「やりたいことがない、目的がない」という状態で、外国に住み続けることって、ほとんどの場合は日本からの逃げ、現実からの逃げだったりするんです。

逃げたかったらどこまででも逃げるがいいさと思う反面で、いつまででも逃げてばかりはいられない、という現実もあります。特に年齢が上がれば上がるほど、可能性は狭まっていくし、現実的に日本での就職なんかは厳しくなっていきます。

ワーホリは人々の可能性を広げてくれる一方で、使い方を間違ってしまえば、人生が大きく変わってしまう、というリスクを忘れてはいけません。

結論

つまり、ワーホリ中、もしくは留学中に何をするかってことが問題なんです。目的もなくダラダラと日本食屋でバイトして、「外国にいること」や「日本に帰りたくない」ということにこだわっている人たちを取り巻く状況は年を追うごとに厳しくなります。

私は、相談者さんがまだニュージランドで英語を勉強したい!日本には帰りたくない!という意志があるのであれば、それはそうしていいと思います。誰かに助言されたとしても、自分が納得できないことが一番の後悔に繋がりますから。その点においては、もし失敗したとしても、後悔の度合いはやらなかったことよりも少ないのではないかと思います。

ニュージーランド、いいところなんでしょうね。好きな街を離れたくない気持ちも痛いほどわかります。

だからこそ、ニュージーランドで生きる道を考えましょう。目の前の収入が入るような日本食でウェイトレスとして働くという意味じゃないですよ。相談者さんがそれをやりたいなら話は別ですが、もっと自分が情熱を持って取り組める、もしくは情熱なんてなくても、ばりばり稼げる仕事、という意味です。

結局はそこなんです。お兄様が言われていることの意味は。

 

でももしそれがなかったら、見つかりそうになかったら、早めに次の一手を決断する勇気は必要かもしれません。私もドイツをはじめ、数か国をワーホリメーカーとして渡り歩いてきて、決断できずに、ワーホリ制度を人生の逃げのツールにしてしまった人をたくさん見てきました。もしくは私がその一人かもしれません。

 

でも人間はどんなに助言を受けても、実際に自分でやってみるまではわからないもの。まだまだ若いのだし(私もね!)、たくさんの失敗しても、何かを学べたらよいですね。


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