Last Updated on 2022年4月12日 by Jo
なんとは韓国では10人に1人が観た、というドキュメンタリーなのだそうです!
韓国の10人に1人が観たという『あなた、その川を渡らないで』
『あなた、その川を渡らないで』あらすじ
結婚76年目の夫・98歳と妻・89歳の夫婦は韓国の田舎の小さな村に暮らしている。夫婦はおそろいの韓国の民族衣装に身を包み、どこに行くにもいつも二人一緒。
韓国の厳しい自然の中、二人がいる場所だけほんのりと明るく、温かいような、慎ましいながらも幸せな老夫婦の日常に迫る。
二人だけで穏やかな毎日を送る一方、徐々に、しかし確実に弱っていく自身のからだに困惑する夫、それを見つめる妻。
静かに“死”と“孤独”が二人の生活に入り込んでいく・・・
このドキュメンタリーはほぼ予算がないまま作られたと言いますが、最終的には480万人を動員し、「韓国人の10人に1人が観た」というほど、ドキュメンタリーとしては異例のヒットとなったそうです。
見どころ
それもそのはず、出てくるおじいちゃんとおばあちゃんが本当にかわいいんです!
2人で積もった雪を投げ合って遊んだり、おじいちゃんが落ち葉をおばあちゃんに降らせておばあちゃんを怒らせたかと思えば、野に咲く花を摘んできておばあちゃんにあげたりと、まるで、20世紀初頭のピュアな若者たちの純愛映画を見ているよう。
このシーンには「やらせ」疑惑もあるようで、たしかにわたしも最初は「カメラを意識してるんじゃないか」程度には感じました。
けれど見続けていくうちに、この二人は本当に76年間ずっとお互いを思いやりながら、二人で楽しいことを見出しながら生きてきたのだなぁと思うにいたりました。
他人から見たらつまらないこと、面白くもなんともないことでも、二人だけでずっとクスクス笑っている、そんな二人だったのではないかと想像します。
二人の人生がずっと幸せだったかといえば、まったくそうではなく、二人は6人の子どもを亡くしていることが作品の中で明かされます。
朝鮮戦争で亡くした子ども、貧しさの中で救えなかった子ども。
どちらか先にお迎えが来た時、亡くした子どもたちに渡せるようにと、市場で子ども用の寝巻を買い求める場面はとても切ないです。もうすぐ「その時」はやってくる。そんな二人の姿に号泣させられます。
夫婦とは何か、愛とは何かを考えさせられる作品でした。
ちなみにわたしはこのドキュメンタリーを見終わった後も思い出して涙が出るくらい、号泣必至のドキュメンタリーなので、涙もろい人は一人で見ることを強くおすすめします。