Last Updated on 2022年4月12日 by Jo
先日ツイッターでこういう記事を読みました。
残念ながらまたしても、すごく優秀でどうしても弊社に来て頂きたかった方が、某スタートアップを選んでしまいました…優秀な20代、30代の採用については、本当に我々のライバルは外資系ITでなくスタートアップになってきています。劇的な変化だけど、これに気づいてる外資系ITの人少なそう… https://t.co/KZhRntZ1o9
— とくさん (@nori76) November 23, 2018
日本でもスタートアップって流行ってるんですね。
わたしの感度が低いだけかもしれませんが、ベルリンでは最近ちょっとスタートアップブームが落ち着いたような気がしてます。
ブームが去ったというわけではないですが、3年くらい前(2015年くらい)のようには人があまりスタートアップについて話題にしなくなった気がしますね。
それくらいベルリンではスタートアップが定着してきたということなのでしょうか。
ちなみに「ベルリン スタートアップ」と検索すると、以下のような記事がでてきました。
ドイツのベルリンはスタートアップの聖地?2018年必見のドイツの注目スタートアップ5選
引き続き、ベルリンのスタートアップって注目されてるんですね。記事を読むと、かなり便利そうなアプリがいっぱい!
今日はベルリンのスタートアップについて思うところなどを書いてみます。
わたしはテック系の情報にはかなり疎いのでただスタートアップ企業を外から眺めているだけの傍観者の戯言と思って読んでもらえるとありがたいです。
ベルリンのスタートアップ事情
そもそもなぜベルリンがスタートアップの聖地となったのか。
そこには歴史的背景があります。
ベルリンは大きな都市であるにもかかわらず、家賃が安いです。どれくらい安いかと言うと、アパートシェアとかだと400EUR(51,256円/ 2018年11月24日現在)くらいで一部屋借りれます(光熱費・ネット代込みが多い)。
これは昔共産圏だったこととか歴史的なことが絡んでいるのですが、そういう事情からひと昔前はアーティストたちが多く住む場所でした。
また、分裂時代政治的に安定しない場所だったことから、大きな企業がベルリンに本社を置くことを嫌い、ベルリン以外の都市に本社を構える傾向がありました。
そこで人々は自分で仕事を作り出す必要があり、フリーランスが多い土地にもなっていったわけです。今でもベルリンがフリーランスに寛容なのはそういった背景があります。
で、時は変わって今。
家賃が安いということに目をつけた若者(じゃなくてもいいけど)たちがベルリンに移り住み、ベルリンでスタートアップの会社を立ち上げるに至っているわけです。
付け加えると、ここ数年はベルリンcallingとでもいうように、多くの人がベルリンにやってきて、家賃が高騰しているので、ベルリンに見切りをつけたアーティストやフリーランサーも多くなったことも事実として挙げておきます。
実際のベルリンのスタートアップで働いた人の感想
3、4年ぐらい前でしょうか、ベルリンに住む普通の人たち(わたしのこと)でさえもスタートアップを話題にしだすようになったのは。
ちなみにわたしもテック界隈には全然詳しくないんですが、この頃から「ベルリンはスタートアップの聖地」とよく聞くようになりました。
特にドイツ語ができない人のベルリンでの就職の受け皿としてスタートアップは人気でした(おそらく現在でも) 。
ちなみにわたしも今働いているのは元スタートアップです(今はスタートアップ規模ではないので、「元」をつけました)
わたしは基本的にはスタートアップは応援する立場ではありますが、実際に働くとなると、まぁいろんな問題があります。
例を挙げると(ベルリンのスタートアップに限る)
・結果を出せない人は光の速さでクビ。1か月未満で切られることも
・いろんなスタートアップが生まれては消える。突然「会社は本日で解散です」と言われることも
・給与は交渉制なので、外国人が買いたたかれることも多々あり
・インベスターズが命。彼らが「あいつクビ」と言ったらほぼ誰も逆らえない
・様々なプロセスがカオス(これから整えられていくと思いますが・・・)
・新入社員のトレーニングは結構適当。自分で学ぶしかない
新しい会社なので、今から改善を進めていくのでしょうが、従業員としてはやっぱり働きにくいんですよね。
さらにはいつクビを着られるかわからないし、昨日今日明日で言ってることが違うことも日常茶飯事だし、会社に対して信用があまりおけないというのがスタートアップ企業のネックとなる問題でしょうか。
もちろんちゃんとしたスタートアップもたくさんあるんでしょうけど、そうでないスタートアップもびっくりするほどある、ということも事実です。
そういった事情から、従業員の大半が1年でほとんど入れ替わるというような現象もみられます。もちろん、会社によりますが。
何度も書きますが新しく何かにチャレンジする時に完璧ではないのは当たり前なので、上記のほとんどは「今から改善予定」と希望を持てるんですが、
「外国人が買いたたかれる現実」というのは、ベルリンで外国人として生きていっているわたしにとっても、つらく悲しいものがあります。
まとめ
ベルリンのスタートアップはすごくスピード感があるし、N26やClueなど使えるアプリを開発してくれたスタートアップもありますが、
多くのスタートアップが生まれては密かに死んでいっている現実もあります。
個人的にはスタートアップで働きたいとはまったく思わないのですが、夢を持って新しいことをしようと挑戦している人たちのことは心の底から応援してます。
こういう挑戦が未来を切り開いていくんでしょう!