土曜日。
我が家では、土曜日は買い物の日。
フランスに来る前は、食材はほとんどスーパーで買っていた。
今は、野菜は八百屋へ、肉は肉屋へ、魚は魚屋、そしてバゲットはベーカリーへ行く。
何軒も回るのは少し面倒なのに、この習慣が私はわりと好きだ。
店先に積まれた果物を眺めて、季節の変化を知る。
日本では果物は割と高級品だけれど、フランスではもう少し気軽に買えるので、我が家では食後のデザートになることが多い。
今日買ったものは、梅、無花果、ブラックベリー、ブルーベリー、キウイ、ザクロ、レモン。
それから、果物ではないけれどミント。
こないだまで杏子や桃が旬だったけれど、季節はいつの間にか移り替わる。
そしてその発見が楽しい。日々の中の小さな喜び。
本当は苺も買いたかった。
けれど、この夏の熱波でずいぶん傷んでしまったらしい。毎年同じように見えていた夏も、少しずつ同じではなくなっている。
こういう八百屋や肉屋や魚屋も、少しずつ姿を消している。
いつまでもあると思っていたものが、気づけばなくなっている。
だから、今ここにあるものを、できるだけ覚えておきたい。
ところで、うちの犬の「枇杷」というのは果物の名前なのに、フランスではほとんど見かけない。
でも柿は、いつの間にか kaki として普通に並んでいる。
ならばいつか、biwa も果物屋の片隅に並ぶ日が来るのかもしれない。

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