夏の終わり、バルト三国のひとつ、リトアニアへ行った。
正直に言えば、もともと特別行きたかった国ではなかった。
私はどちらかというと南欧の方が好きだ。
それでも今回リトアニアへ行くことになったのは、夫が青春時代の一時期を過ごした土地だったから。
「いつか君を連れて行きたい」と、前から言われていた。
そう言われたら、行かない理由はmない。
とはいえ旅のしおりを作り始めると、俄然リトアニアという国に興味が湧いた。
ソ連時代の記憶、リネンや陶器などの手仕事、バルトの歴史…
調べれば調べるほど、見てみたいものが増えていった。
ラトビアのリガを経由し、ヴィリニュスへ。
空港からタクシーに乗るころには、すでに夕方の光が差していた。
フランスより北にあるこの土地では、夏の終わりの日暮れも少し早い。
車窓から見えたのは、フランスではあまり目にしない正教会の建物だった。

異国に来た、と思った。
もっとも、リトアニアではカトリックが多数派だということを知ったのは、そのあとだった。
街を歩き始めてまず目についたのは、リトアニア国旗と、その隣ではためくウクライナの旗だった。

“Stand with Ukraine”という言葉も、何度も目にした。

フランスでもウクライナへの連帯はもちろん見かける。
でも、ここではその距離がもっと近い。

ロシアと国境を接する地域で暮らす人たちにとっての「戦争」は、フランスで暮らす私たちが感じるものとは違うのだろうと思った。



夕食は、きのこのクリーム煮、koldūnaiと呼ばれるダンプリング、そしてCepelinaiというじゃがいも料理。


まだ何も知らない街で、知らない料理を食べる。
旅の一日目は、それくらいでちょうどいい。

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