夜中に枇杷が鳴く。
私は起きて、そばに行く。
大丈夫だよ、と小さな体を撫で、一緒に横になって、また眠る。
子どものころ、私は眠れない子どもだった。
夜の影が忍び寄ってくると憂鬱になった。
安心して眠る、ということがよくわからなかった。
夜は怖いものだった。
窓のすき間から、何かが家の中に入ってくるような気がしていた。
眠れないことも怖かった。
眠ってしまうことも、どこか怖かった。
枇杷には、夜は怖くないものだと思ってほしい。
眠っても大丈夫だと、知ってほしい。
そうしているうちに、
30年以上前の私まで、ようやく安心して眠りはじめたような気がする。

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