夜。
子犬は、数時間ごとに目を覚ます。
尿意を催したり、少し前までずっと一緒だった母親やきょうだいたちの温もりを求めたり。
起きたら鳴くので、アパルトマンの住人たちの迷惑になってはいけないと、私はベッドから飛び起きる。
ふわふわの毛を撫でて、もう一度眠りに誘いたい。
けれど私を見つけると、幼い瞳は爛々と輝きだす。
夜の冒険の、始まり。
数日前まで怖くて行けなかった、リビングの向こう側。
仕事机の下にもぐり、本棚の本の匂いを嗅ぐ。
何もかもが新しい。
誰もいない夜の博物館に、ひとり忍び込んだように。
昼にはまだ怖い場所も、
夜ならどこへでも行ける気がする。
3:00 am。
世界は少しだけ、子犬のものになる。

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