Last Updated on 2022年4月12日 by Jo
フランスもだいぶ暑くなってきましたね!
わたしがいまいるのはノルマンディーの海辺なので心地よい暑さで気持ち良いのですが、パリなんかはだいぶ暑いのでしょうね💦
去年真夏にパリに行ったら、びっくりするほど暑くて、汗だくになったことを思い出します。
さて、まだまだ世間はコロナ禍。
わたしはこのコロナ禍で映画を見る時間がかなり増えました!ここ数年まともに映画を見れていなかったので、映画を見る機会が増えたことはコロナ禍の嬉しい誤算でした。
本当は映画の感想も全部書きたいのですが、そこまで時間が取れないので、気になった映画をピックアップしてブログにポストできたらな~っと思っています(思っては・・・います!)
さて、本日は2011年リリースのドイツ映画『ルートヴィッヒ』をご紹介します。
ドイツ映画 『ルートヴィヒ』
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時は19世紀。バイエルン王国の皇太子・ルートヴィヒニ世は芸術をこよなく愛する心優しい、美しい青年。愛する音楽とともに生きていきたい、それが彼の夢であり、願いであった。
ある日父王が病に倒れ、程なく崩御する。ル-トヴィヒは若くしてバイエルン王国の王となる。王となった彼は未熟ながらも賢明に執務をこなしていく。激務の中、彼の慰めは愛してやまない音楽だけ…
そんな中、ドイツ統一を目論む北ドイツの雄・プロイセン王国と、宗教的にも文化的にもバイエルン王国と深い関わりのあるオーストリアが一触即発の状態との報告を受ける。ルートヴィヒは反戦を主張するが・・・
普墺戦争、普仏戦争、それから第一次世界大戦へと繋がっていくヨーロッパの大きな渦にルートヴィヒは飲み込まれていくのだった・・・
ルートヴィヒ2世とは?
いや~ドイツの歴史なんて知らないし、ルートヴィヒ2世なんて知らないしなぁ。見てもわからない、と思われたあなた!
このルートヴィヒさん、実はあることで超有名。それは・・・
ドイツで最も有名な観光地と言っても過言ではないノイシュヴァンシュタイン城を建設した方なのです!
わたしも数年前に実際にノイシュヴァンシュタイン城に行くまで知らなかったのですが、このノイシュヴァンシュタイン城って中世の騎士たちの時代のものだと思っていたら、実は比較的最近の19世紀に建築されたもので、城の中は意外と近代的で電気も通っていたのだそうです。
で、それを建築させたのが、本日紹介した映画の主人公であるルートヴィヒ王というわけ。
このルートヴィヒさんというのが音楽を愛してやまなかった王なのですが、特にワーグナーを崇拝、彼の描く中世の騎士道に狂気とも言えるほど憧れを持っており、それを現実化するためにノイシュヴァンシュタイン城を建設したのだと言われています。
また、当時は19世紀末。
映画の中にも出てきますが、プロイセン王国がオーストリアとの普墺戦争を開始、破竹の勢いでドイツ統一へと進んでいる最中のなんともきな臭い時代の中で、芸術と平和を愛する青年が現実から逃げるように城造りだけに情熱を捧げていくのです。
ルートヴィッヒという王だけの生涯としても興味深い映画ではありますが、プロイセン王国という強大な軍事国家を前に、なぎ倒されないように必死で立ち続けるバイエルン王国の姿も見どころです。
暴力的な嵐の中、美しいバラが必死で散るのを耐えているような、そんな印象を受けました。
プロイセンは普墺戦争、普仏戦争を経てドイツ統一を成し遂げ、そしてそれが第一次世界大戦への布石となり、後の第二次世界大戦まで繋がっていく。その過程を知る意味でもとても興味深い映画でした。
こういう争いの時代の中、ノイシュバインシュタイン城建立だけに情熱を注ぎ、バイエルン王国の資金を湯水のように使い、ルートヴィッヒは無能な王、もしくは狂王としてその一生を終えるのですが、もし時が平和な時代であったなら、もし戦争のない世界であったら、もしくはもし彼が王ではなかったとしたら・・・と考えてしまいます。
民のことを一切省みず、己の欲と現実逃避のためだけに作られたお城ではありますが、現在ではノイシュヴァンシュタイン城はバイエルン州随一の観光資源となっているのがなんとも皮肉です。
ノイシュヴァンシュタイン城に行かれるご予定のある方は是非見て欲しいと思いました☆
イシュヴァンシュタイン城に行った時の話はこちら→ 【ドイツ旅行】意外すぎたドイツ・ノイシュバインシュタイン城の話